これまで述べてきました三技協におけるOptimization 経営の実践は、もちろん紆余曲折がありました。
私自身、試行錯誤の連続で、これといった決め手とか理論があったわけではありません。もう10年以上になりますか。アメリカでKnowledge Managementという言葉が新しい経営法として注目されました。耳にした方も多いと思います。
Knowledgeは言うまでも無く「知識」とか「熟知」という意味の英語です。Knowledge Managementの基本は、知識やノウハウを共有することで会社の持続的発展と創造性を育んでゆこうというものです。従業員が有するSkillを知的資産としてとらえ、それを全社の共通のKnowledgeとすることの重要性に多くの経営者が気づきました。
Skillは「熟練」であり「技能」であり、「能力」です。社員が持っている熟練の能力はその会社の知的資産なのです。かつて通産官僚から作家となり、経済企画庁長官をやった堺屋太一氏が21世紀を「知価社会」という言葉で表現しました。まさにKnowledge Managementはその知価を共有して、最適の経営をめざすものでした。
Optimization 経営はそのKnowledge Managementを土台として考えてきました。 21世紀におけるどの業でも悩みは全体最適と部分最適の調和です。Optimization 経営こそ、これからのグローバル時代の経営手法として有効だと私は確信しています。
この考え方を機会があるごとに世界中の日本企業の経営者に披露して来ました。そのつど、熱心な多くの質問とコメントが寄せられました。それらはおしなべて、非常に斬新な実践で面白いと思うが、それが今、即企業の経営に役立つかどうかはかなり検討を要するのではないか」というものでした。「確かに三技協では実現できた最適化経営かも知れませんね。それは大変すばらしいと思いますが、それが普遍的なものとしていろんな企業で導入可能なのかどうかは疑問です。一般に認知されるにはまだまだ研究が必要ではないですか」という指摘がありました。私も最もだと同意します。
そこで理解を深めるためにちょっと話を逸らせます。私はこの10月17日、Optimization 経営のコンセプトとその創造と変遷過程を1冊の本としてまとめ出版いたします。『社員の「1行報告」が会社を変える』というタイトルで、かんき出版から上梓したのです。23日頃には町の書店に並ぶでしょう。もちろんアマゾン・サイトでも購入できます。
この本は私の処女出版となりますが、「経営の最適化を考えるOptimization」という概念を分かりやすく解説した本です。もっとも私自身、理論の体系化が完成しているわけではありません。従ってこの本も暗中模索の結果を問う、といった内容といえるかも知れません。自分で書きながら納得できないことも少なくなかったのですが、ひとつの試金石と考え、出版に踏み切りました
