師走に入り日本は急激な円高騰と大幅な景気後退で列島大騒ぎです。テレビは連日、製造業の生産調整や採用者の内定取り消し、非正規社員の首切りなど雇用問題を取り上げ、職を失い、従業員寮を追い出される気の毒な人々の越年について報道しています。
この歳末の風景は想像以上に深刻です。9月にアメリカで大手証券会社、リーマンブラザーズが経営破綻した時、こうした事態を予測した日本人は何人いたでしょうか。サブプライムというアメリカ発の問題が全世界に波及し、モノが売れなくなった。世界同時不況です。
20世紀を席巻した輝かしきアメリカの自動車産業が瀕死の重態です。ビッグ・スリーが潰れたら300万人の失業者がでる、と言われ、ブッシュ大統領も救済のためのつなぎ融資700億ドル(約63兆円)を検討しているそうです。市場に任せたら経営破綻必至の状況です。
米ドル安、韓国ウォン安などの煽りで日本の円が急騰、12月後半ついに1ドル80円台に突入しました。昨年、1兆8000億円という途方も無い利益を出したトヨタが今期は赤字転落必至との予測です。トヨタは為替が1円上がると400億円の為替差損がでるそうです。
ソニーもキャノンもトヨタも生産台数を下方修正し、一斉に人員整理に入りました。トヨタが100万台、計画より生産台数を削減すると発表しました。ということはトヨタに収めている部品メーカーも100万台分のパーツが不要となり、生産を削減せざるを得ません。
生産量を減らせばその分だけ人員が要らなくなります。暮れに入って「明日から来なくていい」と言われた非正規社員の人たちの話が話題となり、政治問題化しています。政府は緊急対策を打ち出し、職を失った人をどう守るか必至です。とんだ年の暮れとなりました。
2008年もいろいろなことがありましたが、今回の事態は短期に改善できる問題ではありません。景気後退は世界的、グローバル経済全体を覆っていますから回復には時間がかかります。こうした環境の変化で、ある日突然、ビジネスが成り行かなくなる瞬間を迎えます。
会社は行き詰り倒産という悲惨に直面します。それを私は「産業の突然死」と呼んでいます。人間に突然死があるように会社にも突然死がある。会社を取り巻く環境の変化を敏感に読み取って、その変化に対処できるかどうか。時代を読む感覚が生死の境目となります。
2008年を象徴する言葉は<変>でした。<変化><激変><変革>などいろいろ読み方はあると思います。その変化はビジネス界にも押し寄せ、会社は<変身>せざるをえません。秋葉原の殺傷事件とか振り込め詐欺の頻発とか食品偽造・偽称・・・何か<変>ですね。
除夜の鐘の音を聞きながら私の周辺で<産業の突然死>をどう阻止できるのか、じっくり考えながら2009年を迎えることになりそうです。オバマの登場でアメリカが<変>わり、世界が<変>わります。<変>わらない平和な楽しいお正月をご一家でお迎えください。
(今日の画像は、今年最後の講演の一景です)
