About 2009年10月

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2009年10月01日

仙石通泰ブログ42 Optimization 経営を考える「黎明を生きるこころ」⑧

明治維新で近代国家を目指した日本は農業立国から富国強兵策で国家事業としての産業振興に成功し、軍事大国となりました。日清、日露の戦争を経ていったん列強の仲間入りを果たしましたが、大東亜戦争(日米戦争)に敗北し明治天皇制国家が崩壊しました。

しかしアメリカの後押しもあって戦後復興めざましく、日本を工業大国にならしめるため、有効に働いた手段は当初は官民にわたる集中的な投資と労働力でした。国民的技術力の向上意欲は凄まじいものがあり、1960年代後半、工業大国の道を驀進しました。

それが20年ほど前(1990年前後)から国内外の経済環境の激変、混沌に戸惑いながらも21世紀の国家像や産業のあるべき姿について議論が高まりました。国家を問う全体最適論は国民一人一人にとって有意義だったと思います。

そして見える化によるイノベイティブ(革新的)な生産方式が他国の追随を許さない立場に多くの日本の生産業を導いたのです。日本の加工業者を支えた力がナレッジ(知識)であることを経営戦略論で著名なピーター・ドラッカーは多くの著書で唱えていました。

ドラッカーら未来学者は、時代が工業社会から情報社会さらに知識社会へ移行している事を指摘し、それを実感してきたのもこの20年間でした。日本のイノベイティブな生産方式が知識を基本においたものであると気がつきナレッジマネジメント理論を構築したのはアメリカです。

米国は官民にわたる積極的な情報と知識への投資と労働力の育成に努めながら新たな価値を創造することに成功しました。シリコンバレーにおけるIT産業の勃興やウオール街の金融技術の向上がその成功を代表しています。

もっとも利益追求に走りすぎたサブプライムローンの問題でマネーゲームが崩壊し、世界的金融収縮を招きました。現在は反省期に入っていますが、アメリカの根源である、価値の創造性という点ではまだまだ学ぶところがあるように思います。

農業社会から工業社会への移行期に起こったように、工業社会から情報社会への移行期には市場が急激に拡大しました。この移行期における市場拡大のインパクトは広く、大きく、複雑なもので政府、産業界、学界、あらゆる人々が事態を理解しきれず困惑し当惑しました。 

自民党の瓦解的敗北はこの困惑の終わりを物語っているように思えます。有権者は混沌からの脱却を願って民主党に投票した。混沌がすぐに治まるとは誰も思っていないでしょうが新しい規律を望んでいるのです。待ち望んでいるだけでなく自分たちがそれぞれの部分最適を全うすることで新しい全体最適をもたらすと考えているのだと思います。
私は為政者にリーダーシップを期待していません。 実直なオーガナーザーであることを望んでいます。

2009年10月10日

仙石通泰ブログ43 Optimization 経営を考える「黎明を生きるこころ」⑨

歴史的に農業社会において全体最適は為政者によって描かれました。その為政者を助けるために素朴な信仰が体系化された宗教となり、思想が哲学として昇華したのです。世の中のあらゆる部分最適は倫理に叶うことで成立し、人々に生き甲斐を与えたのです。

倫理は自然を対象に発生する範囲に存在したので尋常に部分最適を努めることには大きな障害が発生しなかった。国に忠誠を尽くすこと、親や家族を大切に思うこと、年長者を敬うこと、等々が真面目に仕事をする事や「足ルヲ知ル」といった教訓にも人々の間で抵抗がなかったと思います。

約200年間におよぶ近代工業社会の到来で富は急激に増大しましたが、同時に人間社会に多様多種で複雑な環境をもたらしました。それは社会の進化であり文化の発展となりましたが、20世紀終盤には伝統的な価値観が薄れ為政者は社会全体の成り立ちを描くことが難しくなってきました。

民衆もまた、これまでと同じように為政者の言いなりに生きることに納得しなくなりました。情報ソースを握ることで周囲より多くの利益を上げ、優位性を発生させることが解ると成功者とそうでない人々の間の不公平感が浮上してきたのです。

工業財(材)を活用することによって農業生産性が向上したように、情報機器の活用が工業製品の量も質も上げる結果をもたらしました。サプライチェーンの改善には情報機器の活用が大きな役割を果たして来ました。 さらに見える化が進むとバリューチェーンの改革が起こりました。 情報社会においての成功者は見える化の熟達企業であり、これが情報社会から知識社会に移行中の現在の工業生産の現実でしょう。

情報社会は冷戦時代の東西の壁を取り払うという重くて解決困難な人類の課題を消滅してしまいました。あらゆる情報は人々に簡単に入手可能になりました。また情報を秘匿する事が必ずしも優位性を構築することにはならない状況も現出してきました。

富の増大と移動、分配の手段についても国によって理解の差がほとんどなくなりました。しかもそれは国境の垣根を限りなく低くし、市場規模が急激にグローバルに拡大したが、市場に見合ったルールが設定される前に知識を持った人間が優位に立った事で世界的な大混乱が起こったのです。

2009年10月20日

仙石通泰ブログ44 Optimization 経営を考える「黎明を生きるこころ」⑩

急激に進行した情報化社会。そこで地球規模の混乱が起きています。わたしたちはその混乱を収める知識と手段を有していると信じていますが、現在の体制を変化させる必要にも迫られています。新たな体制とは過去10数年、わが社で議論してきたOptimization 経営です。

情報社会は議論が活発な社会でもあります。前号でも書きましたが、情報社会における成功者は見える化について熟達した企業です。見える化が最も苦手な従来型の大手マスコミは衰退しつつあり、情報発信機能の提供者はインターネット活用者に取って代わられています。 

知識社会は、まさに“見える化の時代”なのです。自分のしている事とその周辺が誰にでも見えるようになった。間違って見えていた事も真実を見ているか否か判断できるようになってきた。誰もが鳥瞰図を前にして自分の役割を自覚しているのです。

「見える化を伴う部分最適の徹底は全体最適を調和する」と私が提唱している所以です。しかしこの知識社会の急激な広がりに向かって、解消しなくてはならない問題が広く根深く存在し、さらに問題が地底からふつふつと沸いてきます。知識格差が格差社会をもたらす抗争が始まっているのです。

この葛藤が治まるのはいつごろでしょうか?次に出現してくる近未来社会は超民主主義の時代といわれています。それをもたらすものは“利他主義”だというのです。私の使命はお客様の満足を徹底先行して、その結果がわが社に利益をもたらす構造を創ることです。

そのためにOptimization思考を徹底すること、社員の間のワークシェアリングを守る事です。これが知識社会での先行的企業にわが社を進化させることができると信じています。Optimization思考については次回に詳しく書きます。