About 経営の最適化を考えるOptimization 「部分最適」と「全体最適」

ブログ「経営の最適化を考える Optimization blog」のカテゴリ「経営の最適化を考えるOptimization 「部分最適」と「全体最適」」に投稿されたすべてのエントリーのアーカイブのページです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のカテゴリは文明が飛躍する時です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.34

メイン

経営の最適化を考えるOptimization 「部分最適」と「全体最適」 アーカイブ

2007年11月27日

No12 経営の最適化を考えるOptimization 「部分最適」と「全体最適」①

Autumn%20street.jpg

老舗店やブランドを有する企業の非行とも言うべき数々のスキャンダルを考えてみますと重大な危機が発生しているのに経営がブラックボックス化しているため、見えなくなっているのではないか。そして問題が顕在化した時はすでに遅く、市場の批判一斉に浴び、メディアの攻撃にさらされます。

問題が顕在化して初めて気づき会社はいつの間にか、危機存亡の絶壁に追い込まれてしまっていることに気づくのです。「見える化」経営を実践すればかなり、そうした“手遅れ”状態を避けることができます。破局を招く事前に手を打つことができるのです。

これを「危機管理」という視点で考えてみてください。私が手探り状態ながら必死で考え、実施してきたOptimization経営、具体的にはCyber Manual(CM)を導入することで危機を予防することが可能です。

危機管理で想い起こすのは今、重視されていますCSR(Corporate Social Responsibility)です。CSRとは企業の社会責任です。以前はCorporate Citizenship とも言われました。コミュニティにおける企業市民としての責任を企業家はどう考えるべきなのでしょうか。

Governanceという言葉も80年代から90年代にかけてよく耳にしました。そして現在は、Complianceです。企業がコミュニティの一員として法令を遵守し、企業としての社会責任を果たす。それがあるべき健全な企業イメージでしょう。それはOptimization 経営と密接に関係してきます。

例えば各職場における適正な業務の遂行や作業の進行を私は「部分最適」と定義しています。経営者は「部分最適」の追求を統合しながら会社のビジョンと照らして調和させることで会社全体の最適化を行います。それが「全体最適」です。Optimization 経営とは部分最適と全体最適が、スパイラル状態で改善され、より上位の「最適化状態」へ上昇するプロセスだと考えています。ですから『社員の「1行報告」が会社を変える』という本の出版はOptimization 経営の第一歩にすぎず、さらにこの経営方法を理論化してゆきたいと願っています。


2007年12月05日

No13 経営の最適化を考えるOptimization 「部分最適」と「全体最適」②

UCI001.JPG

言うまでもなく企業とは生産活動とか流通、販売、あるいはサービスを提供して対価を得る生態系を成す組織体ですが、実際に仕事を進めるのは一人一人の人間です。個々の社員が楽しく、誇りを持って仕事ができる環境を追求することは経営者の大いなる義務であり責任です。

会社は生きています。経営の最適化~Optimization とは単に業務の効率化を追求するということではありません。個々の業務や現場の作業をwebに載せ、IT技術を駆使してCyber Manual(CM)とすることで、全体が“見える”ようにすべきことは繰り返し述べてきました。

三技協では構想から5年、実際に社内業務や作業手順、技術ノウハウをウエブに載せ、社内文書を削減していった作業丸3年かかりました。CMのページが10000ファイル以上に上ったことは既述しましたが、ウエブ化の過程は「部分最適」の積み上げでした。

一つの業務についてウエブに載せるためCyber Manual(CM)制作の担当者はいろいろ試行錯誤を繰り返しましたが、同時に厚い壁となって立ちはだかったのは社内の旧主派でした。私は“抵抗勢力”と呼んでいますが、人間、慣れないことには何かと理由をつけて抵抗します。

でも21世紀の経営はIT技術をトコトン取り入れ業務を見える化し、社員一人一人が経験を積み重ねて会得した「個人知」を会社全体の「全体知」として共有できたとき、初めてOptimization 経営の理念が企業活動の改善に貢献し、利益を押し上げるパワーとなります。

Optimization 経営の実践を通して私はこの考えこそ、今後の企業のあり方を象徴するはずです。「部分最適」に改善を加え「全体最適」として統合、理論化することは、大げさに聞こえるかもしれませんが社会革新の礎になるはずだと考え始めました。

その実践の場は日本より、海外でがんばっている日本の企業ではないか、と思いました。本Blogの冒頭に書きましたNew YorkやLos Angelesでの講演は、こうした私の発想を行動に移したものです。New Yorkで1回、Los Angelesで3回、フォーラムを行ないました。

そしてIT革命の聖地と言われるSilicon Valleyにも乗り込んでいきました。その途中、友人であるアメリカ人の紹介で立ち寄ったUCI(カリフォルニア大学アーバイン校)のビジネススクールで、二人のComputer Scienceの専門家に出会うことができました。それは大いなる邂逅でした。

2007年12月11日

No14 経営の最適化を考えるOptimization 「部分最適」と「全体最適」③

UCI004.jpg


カリフォルニア大学(UC Systems)の本部はSan Franciscoの対岸、Berkeleyにあり、11のキャンパスで20万9000人の学生を擁する全米一の名門マンモス大学です。創立は1868年(明治元年)、カリフォルニアで砂金が発見されて20年後にはUCの礎ができていたのです。同窓会のメンバーが134万人といいますから凄いと思いませんか。

Los Angelesからフリーウエイ5号線を1時間ほど南下したところにIrvine、Costa Mesa, Newport Beach, Tustinといったアメリカの富を象徴するような美しい町があります。昔はオレンジ果樹園やストローベリー畑だった土地を開発してこの30年間に急成長した新興都市群でITやバイオの最先端技術が集積していることで知られています。

UC Irvine School(UCI)はUC Systemsの中でも比較的新しい大学(1965年設立)で、最大規模のLos Angeles(UCLA)、 本部のあるBerkeley(Cal)San Diego(UCSD)に次いでUC第4位、学生の半分以上をアジア系で占め、日本人留学生もたくさん学んでいます。キャンパスを眺めているとアメリカの大学とは思われないようなアジアの雰囲気です。

UCIを訪問できたのは三技協の社外取締役、Ronald Morse・Nevada大学教授の紹介でした。Morse教授は柳田國男の『遠野物語』の英訳をされた日本研究者で流暢な日本語を話します。私は2007年7月18日、Morse先生らとUCIの大学院に、Business & Computer Science学科のVijay Gurbaxani教授とVidyanand Choudhary助教授を訪ねました。

お二人とも著名な情報工学の第一人者です。とりわけIT技術と経営戦略との関わりを研究している経営管理学が専門で、まさに私がお会いしたかったプロフェッショナルです。私はお二人を前にOptimization 経営の理念と実践について率直に話しました。

なんとかして仕事の効率を高めることで赤字体質から脱却しようというのが発想の原点で、IT技術を使ってCyber Manualを作りました。それを年々、自社努力を続け改善していったら「要するにこれはIT技術を駆使した経営のプラットフォームではないか」と気づいたのです。

30分ほど熱心に私の話を聞いてくださったお二人はこれまで話した誰よりも鋭く反応してコメントくださったのです。Optimization 経営の理論化を模索していた私には“目からウロコ”の思いでした。

2007年12月19日

No15 経営の最適化を考えるOptimization 「部分最適」と「全体最適」④


UC Irvine(UCI)のキャンパスは広大、眩しすぎる陽光がいっぱいです。カリフォルニアは砂漠性気候ですから大気が乾いて快い。訪問先は”The Poul Merage School of Business”
という名の経営大学院、アメリカで大学院や研究所に研究機関を設立した碩学や貢献者の氏名を冠とすることがよくあります。

Morse先生が友人の学者の紹介でアポイントを取ってくださいました。これからの経営はハード、ソフト含めてコンピューターをいかに取り入れてゆくべきか。コンピューターを駆使した経営戦略を研究している、という学究がVijay Gurbaxani教授とVidyanand Choudhary助教授でした。「ビジェイ・ガーバカザニィ」と「ビジャナンド・チョーダリー」と発音するそうです。

お二人ともインド系アメリカ人とお見受けしました。既述しましたようにIT革命のメッカと言われるシリコンバレーは「Another IC」に支えられている。日本語で言えば「もう一つのIC(India & China)」というわけ。アメリカの最先端ITの研究開発やコンピューター産業は中国系とインド系の人々の頭脳無くして成り立たなくなっているのです。

ガーバカザニィ教授はロチェスター大学でPH.D.(博士号)を取得されました。UCIのウエブサイトに先生のホームページが公開されていますから興味のある方は、ウエブを覗いてみてください。チョーダリー助教授はコンピューターのハードに強い関心をもたれていました。私にとってはお二人にお会いできたことはまさに「僥倖」そのものでした。

講義の合間に時間を取ってくださったので時間がありません。私の話を聞いてくださり、いろいろ質問をやりとりしているうちにあっという間に時間が過ぎてしまいました。面会時間は40分か50分くらいだったと思います。そして次のようにコメントされたのです。

「いま、拝見したOptimization、 あなたのおっしゃる経営の最適化というのは私たちがまさにこの大学院で追究している壮大なテーマです。あなたが三技協でやってこられたことはBusiness Intelligenceであり、Knowledge Management, Decision Support, Process Automationなどの経営理論と業務のFunctionをIntegrateしたGroupwareです。アメリカでもここまで実際にITの技術を使ってシステム化し、統合して実践している企業は珍しいですよ。私のスタッフで、Optimization の内容を詳しく検討してみたいですね」

正直言って驚きました。そんな言葉をぜんぜん期待していなかったからです。それには訳があります。

2007年12月25日

No16 経営の最適化を考えるOptimization 「部分最適」と「全体最適」⑤

このブログも本号で16回目、ことし最後となりました。当初は社内業務の効率化と「見える化」を進め、社員間や経営と現場のコミュニケーションを深めたい、ということで始めた経営のOptimizationは今、大きな岐路に立っている、ということを実感する年の瀬です。

Optimization 経営はどんな企業にも適用できる、言ってみれば普遍化、理論化が可能ではないか、と思えて渡米したことは本ブログの最初に書きました。そして強い光が射した、と直感したのがUCIの二人のComputer Scienceの学究にお会いした時です。

ガーバカザニィ教授のコメントは真にポジティブで、三技協のCyber Manual(CM)についてスタッフに研究させてみたい、と話されたのでした。それに驚いたのは訳があると前回、書きました。そのワケとはOptimization 経営に対する日米の真反対の反応です。

確かにOptimization 経営は未だ三技協という中小企業の実験的IT経営に過ぎません。しかしそれを強引とも言えるやり方で実践してきた反発もありました。附いて行けないと辞めていった古参社員もいました。しかし経営内容を数量分析してみたら「減収増益」~導入前に比べて6年で35倍も利益が上がった事は既述しました。

この実績から水が低きに流れるがごとくOptimization 経営の普遍化と理論化をめざしたい、という思いがわいてきました。2006年10月、経済産業省の推進事業である「IT経営百選」で最優秀企業に選定されたことも自信となり、いろんなところでOptimization 経営についてプレゼンテーションを繰り返してきました。30回を越えたと思います。

アメリカは全部で5回ですからほとんどは日本での講演です。私の話に対する日本人の反応は概して否定的でした。興味は示してくれますが経営の実際として考える人は少なく、特にコンピューターの専門家は「そんなこと言われなくても分かっている」と言わんばかりでした。

「三技協は技術サービスの会社でIT技術が分かる社員ばかりだからできたのでしょう。同じ事を自分の会社で全社員に強要したらパニックを起こして、効率どころか逆に会社はバラバラになってしまう」という批判もよくでました。

ところがUCIの二人の先生は強い興味と関心を抱かれました。注目したのは個々の業務やマニアルのweb化ではなく、webを使った“知”や“熟練”の共有であり、経営体としてのIntegration(統合)でした。「部分最適」ではなく「全体最適」です。ボトムアップから発信された「部分最適」を統合してゆく「全体最適」こそ、Optimization 経営にとって一番、大切なのです。視点は私とぴったり合わさっていました。新年が楽しみです。良いお年をお迎えください。

2008年01月09日

No17 経営の最適化を考えるOptimization 「部分最適」と「全体最適」⑥


新年あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願い申し上げます。
2008年正月

みなさん、平安で健やかな新年を迎えられたこととお喜び申しあげます。イラクの戦争が終わり、テロが収まり、世界が平和になる年にしたいですね。そして皆様の会社のご発展とご一家のご健勝を祈っております。旧年と同様、相変わらぬご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。

新年第1回のブログです。ことしはアメリカで大統領選挙、北京でオリンピック、そして日本の洞爺湖でサミットが予定されています。いずれも世界が注目するイベントが目白押しです。旧臘、バリ島で開催された「COP13」では180か国の代表が参加して地球温暖化対策を討議しました。まさに世界は一つです。

昨年を象徴する漢字は「偽」でした。偽装、偽造、詐偽のオンパレードで私たちは何度、テレビで頭を下げる経営者の情けない映像を見せられたことでしょう。「義の国」であったはずの日本が「偽の国」となってしまいました。一体、何が起きているのでしょうか。

最適の強度を誇るマンション、最適の安全な食品、最適のサービス・・・そうです。問題を起こした会社は「最適化」を追求する精神に乏しく、顧客に対する責任感が喪失してしまったからです。経営が外部に見えるようにする努力をしていたら「隠す」ことはなくなります。

「見える化」を図り、全社員に社内の業務改善、社が有している技術などの「知」を公開していたらあのような反社会的な事件の続発を防げたはずです。私が語っているOptimization 経営は民間企業に限らず行政や病院、大学など公的機関でもまったく同じで適用可能です。

これまで日本の役所は何事も公開したがらず、国民から見えないように情報を独占し隠す性向がありました。そこに社会的不公正を発生する澱みができます。社会全体をOptimization(最適化)してゆこうという努力、「見える化」を推進してゆくことは新年の大きな課題です。

Optimization 経営とは単に効率良い経営で利益を追求する、ということだけではありません。「見える化」を図ることで「知」の共有が実現し、一人ひとりがたゆみない改善を積み重ねてゆくことで、勤める会社や地域社会を最適の状態へ進化させることができるのです。

私は三技協の社員向けて年頭のあいさつをビデオで話しウエブに載せました。5分間ほどの新年のメッセージですが、Cyber Manualが完成度を高めていることで、会社が大きく発展できる素地ができつつあることを強調しました。ことしのスローガンは「広くて高い構想力」としました。

2008年01月21日

No18 経営の最適化を考えるOptimization 「部分最適」と「全体最適」⑦


周知のとおり私の社員に向けた新年の映像メッセージは全国に散在する三技協の工場や営業所、それに海外の現場でも社員ならいつでもどこでもインターネットを通じて見ることができます。そのための費用は一切かかりません。

IT技術革新は情報通信の経費を限りなくゼロに近く引き下げました。社長のブログや映像メッセージを発信している経営者は少しづつ増えています。さらにインターネットは経営と業務の現場が相互通信を可能にしました。トップと現場が直接、対話できる環境が整い、それが社の「知価」を高めます。

これまで何度も書いてきましたように三技協のCyber Manual(CM)は、社員一人ひとりが日一日と業務の改善を重ね、それをウエブのファイルに報告しCMに載せることで、1万ページを超える膨大な「知」の集積ができました。「個人知」が「全体知」となっています。

会社の知的財産が日々、刻々と増えてきているのです。その結果、社員一人ひとりが市場を鳥瞰図的に見ることができるようになりました。技術の現場の断面図を報告し、連絡を取り合い、相談が行われてきました。それが過去、数年の実践の集積としてCMが実現できたことでOptimization 化が進行しています。すばらしいことです。

その結果として昨年は『社員の「1行報告」が会社を変える』(かんき出版)という本を世に問うことができました。ありがたいことに有力書店でベストセラーの仲間入りをさせていただき、アマゾン・ドット・コムでも4つ星をいただきました。本書にありますように三技協はCMを日々、改善してゆくことで目に見えて変わりつつあります。

私は三技協の社員の間に広くて高い構想力が芽生え始めていると感じています。その広くて高い構想力により、たくさんの提案書をお客様に出してゆくことが可能となります。営業の現場は、湧き出す構想力による社員の創造的な提案書により、新しい企画が現実のものとなるでしょう。

ことしの目標は広くて高い構想力による充実した提案書をどしどし出してゆくことで顧客と市場の拡大をめざしたいと思います。・・・といった趣旨のメッセージを送りました。同時に私自身もことしはさらなるOptimization 経営の飛躍の年にしたいと願っています。

そう語ることの幸せを実感できるお正月です。ことしも8月に横浜で集う「サンフェスタ08」で、社員やお世話になっている方々とお会いすることが楽しみです。豪華な花火を見て美味しい食事をいただきながらいろんな夢を語りあい、生活を豊かにしてゆく努力を続けたい、と願っています。

2008年01月31日

No19 経営の最適化を考えるOptimization 「部分最適」と「全体最適」⑧


2008年は世界が大きく変わる年になると思います。お隣りの韓国では昨年12月の大統領選挙に圧勝したハンナラ党、前ソウル市長の李明博(イ・ミョン・パク)が2月25日第17代大韓民国大統領に就任します。3月22日には台湾で総統選挙が行われます。

2000年、国民党を破り華々しく登場した陳水偏政権への失望感から国民党が政権を奪還する可能性が大きい。そしてアメリカでは1月3日のアイオワ州党員集会、1月8日のハンプシャー州予備選挙で、08年大統領選の幕が切って落とされました。

共和、民主両党とも予想とおりの混戦模様となって全世界が固唾を呑んで注視しています。民主党ではヒラリー・クリントンとバラク・オバマが激烈な戦いを繰り広げており、どちらが通っても米国初の女性大統領か黒人大統領となるという歴史に無い戦いの構図です。

日本でもナショナリストと言われた安倍政権から福田康夫首相の政権となって、がらり様相が変わりました。参議院では野党の民主党が第一党、参議院議長は民主党の江田五月、参議院の政治的重要性が飛躍的に高まる“ねじれ国会”で政局運営が難しくなっています。

北京オリンピックや洞爺湖サミットも予定され、2008年は歴史を大きく塗り替えるかもしれない年となりそうな予感がします。こうした急激な変化を加速しているのがIT革命と言われている先端情報通信技術の飛躍的な進歩であると私は考えています。

WASP(ワスプ、White Anglo-Saxon Protestant)で東部エスタブリッシュメントと呼ばれる白人中心の政治が崩壊寸前です。ケニア人を父に、辺境ハワイで生まれジャカルタ 育ち、という若いオバマに集まる爆発的人気の背景にウエブという隠れたパワーがあります。

オバマにはインターネットを通して100-200ドルという大衆のカンパが続々と集まり、9000万ドルと言われるヒラリーの選挙資金を上回るのではないかと言われています。候補者の討論はYouTubeという映像共有サービスを使い、投票者へ直接語りかけることが現実となっています。

世界最強の国家の権力者を選ぶ政治イベントにインターネットが決定的な役割を果たしつつある。韓国でも台湾でも同じです。その事実に気づいている日本人がどれほどいるでしょうか。情報通信技術の飛躍的進歩が世界を劇的に変えつつあるという現実を直視しませんか。

それは私が過去、数年、追究してきましたOptimization経営と本質的に同じ視線ではないか。世界も私個人もことしは刺激的で面白くなりそうです。

2008年02月08日

No20 経営の最適化を考えるOptimization 「部分最適」と「全体最適」⑨

前回のBlogでも指摘しましたが、08年米国大統領選挙は、民主党のヒラリー・クリントンとバラク・オバマ両候補が激しい接戦を演じ、勝敗の行方は混沌としています。注目されていました2月5日のスーパー・チューズデー以降、オバマが7連勝、トップに立ち、ヒラリーは劣勢になってきました。

なぜ無名に等しかった黒人議員のオバマが知名度ナンバーワン、クリントン大統領のファースト・レディだったヒラリーを追い抜くことができたのか。今回の選挙戦の目立った特長として言えることは世界を席巻しているインターネットという時代背景です。

オバマ陣営の選挙戦術は挑戦者としての「選挙戦の最適化」を追究しました。ウエブを利用して若いオバマの「変革」というイメージつくりの成功、選挙組織の最適化、そして選挙資金の大衆カンパです。ことしにはいって1月だけで3200万ドル(約34億円)にのぼる資金が集まったと報道されています。

特に1月8日、ニューハンプシャー州予備選でヒラリー候補に敗れた直後は実に17万人がインターネットを通じて献金したそうです。オバマを支援する熱い想いが即、大衆カンパという形で、選挙資金が集まった例が過去の大統領選挙にあったのでしょうか。まさにインターネットが成せる業ではないかと思います。

民主主義を大衆の意思の反映とするならばこの現象はインターネットが選挙戦に驚異的なパワーを発揮している証左です。そしてそれが候補の人気と結びついたとき、勝敗に大きく影響してきます。ご存知の方も多いと思いますが、象徴的なエピソードが起きました。

福井県小浜市にオバマ候補を応援する勝手連ができたというのです。村上利夫小浜市長が若狭塗りの夫婦箸と激励の手紙を送り、“オバマ饅頭”や「アイ・ラヴ・オバマ」というTシャツが小浜市で売られはじめたのです。同音同名の悪乗りなのでしょうが、小浜市を一躍有名にしたのです。

面白がってフランスのAFPやイギリスのロイター、アメリカのAPなどの通信社、それにニューヨーク・タイムスの記者まで小浜市入りしたとなると福井県の“オバマ騒動”が世界的になり、あっという間に小浜市の知名度は国際的になって新たな展開が始まります。この話はOptimizationを考えるうえで、ヒントとなるような気がします。

2008年03月04日

No21 経営の最適化を考えるOptimization 「部分最適」と「全体最適」⑩

民主党のオバマ候補が出馬当初から本命と見られていた知名度抜群のヒラリー候補を抜いてトップに躍り出ました。2月5日のスーパー・チューズデー以降、首都・ワシントンDCはじめウィスコンシン州、ハワイ州と勝ち進み、2月22日現在、9連勝しました。出身地ハワイ州では得票率76%とヒラリーの24%を断然、引き離し、世界中の視線が若い黒人の大統領候補に注がれています。

「オバマ氏」と「小浜市」~日本海に面した福井県の人口3万人の地方都市が、あっと言う間に国際的な知名度を得ました。名前が同音というだけで小浜市にオバマ応援団が生まれたことを面白がって続々と海外から取材陣が小浜市入りしています。

世界が注目する08年米国大統領選挙の一風景、オバマ・ブームにあやかろうという小浜市長や市民の魂胆は見え見えでしょうが、この珍現象、Optimization 経営のヒントになると私は見ています。日本のオバマ騒動の経過を簡単にふり返ってみます。

イリノイ州選出のオバマ上院議員は2006年12月に訪日しました。空港で入国する際に入国審査官が「OBAMA」の名前を見て、「私はOBAMA出身です」と一言、ジョークを言った。これが発端でした。日本に「OBAMAという自分と同じ名のCityがある」事をオバマ本人が知りました。

アメリカに帰ったオバマ議員はラジオでこのことをしゃべったら日本人の大学教授が聞いて、小浜市長宛てにメールをしたのです。村上利夫市長はすぐ手紙を添えた特産の「若狭塗箸」をオバマ氏に送った。オバマ饅頭や「アイ・ラヴ・OBAMA」のTシャツが売りに出された。海外メディアが報道したことで、一躍、小浜市は国際的に知られるようになりました。ハワイの党員集会でも小浜市のことが話題になったそうです。

たった一言のジョークがきっかけとなり、情報が一瞬にしてグローバルに駆け巡るインターネットが米国大統領選挙と福井県小浜市を結び付けました。しかもこの繋がりが大きな政治的意味を持つことになるかも知れません。

小浜市は北朝鮮に拉致された地村保志、富貴恵さん夫妻の郷里です。もしオバマ当選となったら「小浜市」とホワイハウスの結びつきはさらに確固たるものとなって、米国大統領の拉致問題に対する認識もぐんと深まるでしょう。

今日(3月4日)のテキサス、オハイオ両洲の予備選挙日にはCNNの取材スタッフが小浜市入りして全米生中継をやるという情報もあります。インターネットはこんなところでも思わぬ展開を見せ、それが社会現象や政治にも影響してくるという事実、経営発想も従来型から抜け出る必要があろうかと思います。


2008年10月15日

仙石通泰ブログ32 Optimization 経営を考える「文明が飛躍する時」⑥

Googleという怪物企業について考えてみたい。それはOptimization 経営理論に深く関係するからです。数多くのIT関連ベンチャー・ビジネスが起業してきた中でGoogleは発想という点からして、群を抜いて特異で革命的な経営思想のもとに出現しました。

ウエブという無限の情報界を市場とし、ウエブ上で売買活動をコンピューターにさせるための枠組みを活性化したのです。検索エンジンという技術が深く関わっているため“サーチ・エコノミー”という言葉を使う人がいます。「検索経済」、消費者が買いたいものを検索して買い物するのです。

Amazonという本のウエブ販売サイトはあまりにも有名です。今、Amazonは230万点の書籍をウエブに載せているそうです。ベストセラーではなく細々と売れてゆく本が全体の売り上げの8割を占めるという、それを“ロング・テール現象”といいます。

従来の書店販売では売れ筋のベスト・セラーを平積みにして売る。売れない本はすぐ取り次ぎに返本してしまう。それをAmazonはウエブに載せる(書名をリストするだけ)ことで販売コストを限りなく下げ販売点数を限りなく拡大して、これまで書店では絶対実現できなかった少数多種類販売方式を検索エンジンが現実化したのです。

10万部売れたベストセラーの1冊と1冊しか売れない本だが10万冊をリストして売ったAmazonと金額では同じです。これがロング・テールと呼ばれる現象。マーケッティング理論で「パレートの法則」と呼ばれるグラフからイメージされた言葉で、商品全体の2割の売れ筋商品が金額で売り上げの8割を占め、商品の数を多くすればそれは恐竜(売り上げの2割が頭部分に相当)の長い尻尾に見えることから名づけられました。

日経新聞によればGoogleの時価総額は2008年8月時点で1572億ドル(約18兆円)を越えます。Microsoft(MS)が2160億ドル(約30兆円)といいますから、未だMSには及びませんが、アップルとほぼ同額です。eBay(5兆5600億円), Yahoo(4兆3440億円) Amazon(2兆1120億円)といった先発のITベンチャーをはるかに抜いて、いまやITの世界で最後発企業ながらGoogleはMSを急追しています。

Googleが注目されているのは「広告の最適化」でした。売る側としては「買いたい意思のある人」に広告したい。テレビや新聞のようにマス・メディアへの広告の出稿は広告費が高い割りに効果は期待薄です。その広告効果をGoogleは「検索」技術で最適化しました。

アドワーズという検索サービスはキーワードに関連する広告を同じページに載せます。「サーフィン」が好きな人なら「サーフィン」というキーワードが出たページにその関連広告を載せる、という広告方式です。Googleはさらに個人のホームページに広告を配信するアドセンスという広告サービスも投入しました。

2005年の第3四半期のGoogleの売り上げは15億7845万6000ドルだったが、その98.8%までアドワーズとアドセンスの広告が占めていた、と佐々木俊尚著『グーグルGoogle~既存のビジネスを破壊する』(文春新書)は紹介しています。購買者を狙った“ターゲット・アド”でGoogleは大成功しました。まさに最適化された広告こそ究極のアドと言えるでしょう。